スキーやスノボに保険があるのをご存じですか？スキー・スノボは雪の上でスピードを出して滑り、ターンやジャンプを楽しむウインタースポーツなので、ケガをしてしまう可能性はゼロにはできません。そこであると安心なのが「スキー・スノボ保険」です。今回はスキー・スノボ保険の概要と選び方のポイントをご説明します。

スキー・スノーボード保険とは

スキー・スノボ保険とは、ゲレンデに出かけてから帰宅するまでの間に生じる可能性があるケガや事故に備えるために入る保険のことです。

正式にはスキー・スノボ専用の保険というわけではありません。国内旅行保険あるいは幅広い野外活動に対応するレジャー保険に加入することで、スキー・スノボ旅行中の事故をカバーしてくれたり、補償を付与することで手厚いサポートを受けられたりします。

なお、基本的に旅行会社が提供するスキー・スノボプランには、保険料金は組み込まれません。店舗の担当者がスキー・スノボ旅行購入時のお客様に対して保険に加入することをすすめてくれる場合もありますが、最終的に自身で加入するかどうかを選択する必要があります。

スキー・スノボでケガをする人は加入すると安心

雪の上をハイスピードで滑走するという特性上、残念ながら、スキー・スノボはゲレンデでの事故が発生しやすいスポーツです。

一般社団法人日本鋼索交通協会が公表した「2021/2022シーズンスキー場傷害報告書」によると、スキー・スノボ中の事故でケガをしてしまった方の傷害保険への加入状況として、45.9％の方が加入しているかわからない、30.5％が傷害保険に加入していないことが判明しました。

また、賠償責任保険の加入状況においては、51.4％のスキー・スノボ愛好家が加入しているかどうかわからないだけでなく、29％の方が加入していないという結果に。

保険に加入していないと、自身のケガや事故だけでなく、誰かにケガをさせてしまったり、レンタルや他人のスキー・スノボ用具などを破損してしまったりした場合、自費でねん出しなければなりません。

スピードが出るだけでなく、足元が不安定な雪がある場所に人が集まるという特性があるゲレンデにおいて、万が一ケガや事故に巻き込まれてしまった場合のことを考えると、保険への加入は積極的に検討することがおすすめです。

子を持つ親にとっても保険への加入は安心

さらに、スキー・スノボに限らず旅行会社が取り扱う国内旅行では15歳以上20歳未満の未成年の方でも同意書さえがあれば親の同行なしでゲレンデに行けます。

後述しますが、スキー・スノボ保険は数百円前後から加入できるタイプもあることを知っておくと、保険加入のハードルが低くなるでしょう。

子を持つ親にとっても、保険の重要性を子どもに説明できるようになれば、子どもは同意書を旅行会社に提出する際に保険への加入も検討しやすいのではないでしょうか。

スキー・スノボ保険の料金は？

国内旅行保険タイプの料金は、日帰りから1泊2日あたり数百円からと比較的低価格です。加入する年齢に制限があるものの、年齢や性別・職業問わず一定価格で提供されているケースが多くあります。旅行日数（宿泊数）はもちろん、オプションを付けると値段が変動するものの、気軽に加入できるタイプです。

ただし、レジャー保険タイプに加入した場合は、年間契約と年間費用が発生します。年間費用はおおよそ4,000円前後発生し、国内旅行保険タイプと同様、オプションを付与することで保険料が変動することを覚えておくと安心です。

スキー・スノボ保険以外にも活用できる保険とその違い

スキー・スノボ保険と呼ばれる国内旅行保険およびレジャー専用保険以外にも、一般的な傷害保険や生命保険・賠償責任保険など、さまざまな保険があります。

スキー・スノーボード保険はどこまで補償が必要？

スキー・スノボ保険と呼ばれる国内旅行保険タイプとレジャー保険ですが、どのような補償内容があるのでしょうか。自身のスキー・スノボのレベルに応じて、必要な補償は変わります。基本的な補償内容とオプションで追加できる特約について把握し、自身に合いそうな保険商品を確認しましょう。

主な補償内容

スキー・スノボで最低限必要なのは、賠償責任と傷害、用品に関する補償です。スキー・スノボ保険として販売されている商品は、日常生活範囲内をカバーしつつ、スポーツやレジャーに関する傷害および個人賠償責任・携行品損害などがセットになっていることが多くあります。

グレードや商品内容によって内容に変化がある

スキー・スノボ保険は、グレードや商品によって、付与されている内容に変化がみられることが一般的です。

例えば、以下はプランによってはオプションを付けないと補償対象外になる可能性があります。

【オプションを付けないと対象外になる可能性がある事柄の例】

• インストラクター等の業務としてスキー・スノボを行なっている最中に損害が出てしまった
• レンタルしたスキー・スノボ用品が盗まれたり、壊してしまった
• スキー・スノボ用品の自然の消耗または性質による変質・その他似た理由による破損
• スキー・スノボ用品を置き忘れたり、失くした
• スキーのストックのみ盗まれてしまった
• 遭難してしまい、救助が必要になった
• ケガをして、通院が必要となった

自身のスキー・スノボレベルやゲレンデに行く頻度などを考慮して、必要な補償内容を吟味するとよいでしょう。

スキー・スノーボード保険を選ぶ際の2つのポイント

前述の通り、スキー・スノボ保険には1日から加入できる簡易的なものもあれば、年間加入などさまざまなタイプが存在します。

また、スキー・スノボ保険を販売している会社もさまざまです。この項目ではスキー・スノボ保険を選ぶ際にチェックしておきたいポイントを紹介します。

まずは現在入っている保険に補償が無いか確認

現在、以下の何らかの保険に加入している方は、スキー・スノボ保険と同等の補償が付帯されているかどうか確認しましょう。

【確認すべき保険および契約内容】

• 生命保険
• 火災保険の特約
• 自動車保険の特約
• クレジットカード会員向け付帯保険

スキー・スノボ保険は一般的に、すでに加入している保険の不足分の補償を補うために入ります。心配だからといって、スキー・スノボ保険にも加入すると二重加入となり、どちらかの補償しか受けられません 。

もし、加入済みの保険や特約に個人賠償責任保険に関する内容が確認できたら、スキー・スノボ旅行中の事故における賠償責任でも補償してくれる場合があります。心配な場合は、まず契約している保険会社に連絡して確認してからスキー・スノボ保険に加入するか決めましょう。

スキー・スノーボードに行く頻度から考える

自身がどのくらいの頻度でスキー・スノボに行くのかも確認が必要です。毎年スキー・スノボに行くものの、シーズン中数回程度という場合は、日帰り（1泊2日）から対応してくれる国内旅行保険タイプや、スキー場で設定している保険への加入がよいでしょう。

スキー場で加入できる保険は補償面が弱いものや、スキー場によって保険の有無があることを考慮しなければなりません。

スキー・スノボだけでなく日頃からアウトドアレジャー・スポーツをしている方や、毎日・毎週のようにスキーに出かけるという方は、日常生活での事故やケガなどもカバーしてくれて、年単位で補償してくれる傷害保険やレジャー保険（スポーツ保険）がおすすめです。

レジャー保険（スポーツ保険）を利用する際は、年間契約となり保険料金は上がってしまいますが、自身の求める補償内容があるかどうか確認しながら、必要に応じたオプションを追加することも検討しましょう。

もちろん、旅行会社を経由してスキー・スノボに行く場合は、旅行会社が扱う保険を検討しても問題ありません。申し込み済みの方であれば保険への加入も併せて行ってくれますので、自身でほかのスキー・スノボ保険を探す手間も省けます。

スキー・スノボ保険に加入への加入がおすすめ

ゲレンデには、初心者から上級者までさまざまなレベルの方が集まっています。理想通りにスキーやスノボを存分に楽しむためにはゲレンデ内でのルールを守り、安全を徹底した行動も大切ですが、より自身の安全を担保するためにも保険への加入がおすすめです。

スキー・スノボへ行く頻度のほか、自分のレベルはどのくらいなのかなどに応じて必要な補償内容を確認することで、適切な保険に加入できます。

スキー・スノボ保険に加入する際は、ほかの保険に付いている補償と二重にならないよう、よく確認しましょう。ゲレンデ出発前に準備をしっかり整えて、安心・安全にスキー・スノボを楽しんでください。