オリオン・ペガサス・とん平の3ゲレンデからなる長野の戸狩温泉スキー場は、広々としたコースとゲレンデからの絶景、多彩なコースで1日たっぷり遊べる人気のゲレンデ。

夜発日帰りバスツアーで訪れた現地の様子をレポートします。

昔ながらの面影を残す、決して着飾らない閑静なスキー場。

ゲレンデに出ると横一列にコンパクトな建物が連なり、どこか懐かしさを感じた落ち着いた雰囲気は心地よかったです。

全体的にスキー層がやや多いゲレンデです。
カーブの多いコースで、曲がった先には一面広がる町景色と雪化粧の山々。

右と左の山から見える景色は表情が少し違うので比べてみるのも面白いですね。初心者コースでも少し傾斜があるような気がしましたので、コース幅や難易度的には少し慣れてきてから腕を上げていきたい人にはおすすめのコース！
2つの山の行き来が少し分かりづらいので、携帯にマップを撮っておくと便利ですよ。

ゲレンデ到着

【二ツ宮】バス停を降り、神社を正面に左へ。ちょっと歩くと右手に上り坂があり奥に電気のついた建物があります。夜発ではまだ現地は暗くわかりづらいのでご注意を。

ここが拠点となる【とが防レンタル２】の建屋です。

バス到着に合わせて朝６時から受付を行っており、ゲレンデオープン時のレンタル混雑が避けられるのはありがたいですね！ここには菓子パンやカップ麺、お菓子などを置いた小さな簡易的な売店があるので、朝食を忘れても大丈夫。

収容ロッカーは大きめで、２～３人分の荷物は積められる大きさなので共有すると安くすみます。価格は３００円。注意したいのは、途中開閉ができない仕様なので閉じる前に忘れ物がないかの確認を！着替えしたり、小物を取り出したいができないのでちょっと不便です・・・。

お手洗いは地下にあります。建物が古いこともあり、コンクリむき出し＋暖房のない外気と同じ位寒いので、温かい格好で行きましょう。

【とが防レンタル２】を正面に、すぐ左隣りがリフトチケット販売所です。

レストラン・温泉などの施設は１０時オープンとなっています。

麓から山頂へ

初滑走でまずはリフトに乗り、最初の山の頂のちょっと下を目指し初心者コース経由で下まで降りていきました。

リフトは1回乗り継ぎ最初の山の上に向かいます。最初のリフトは4人乗りで、外看板に貸出し工具が吊り下げられています。乗車ペースが早いので流れるように１グループずつで乗車します。
乗り継ぎのリフトは２人乗り。建屋にはトイレ（男女兼用）が1箇所と、工具貸出場所が一箇所ありました。

滑走スタートですが、まずはリフト降りてすぐ後ろを見ましょう。

眼下広がる見事な景色と雲海が！ただ、写真を取るならここではリフトのケーブルや木が遮ってしまうので少しお預け。もう一つ上へ向かうリフトがあるので、そこから撮ることをおすすめします。

今回はまずは下まで滑走。初心者コースへは斜面になるまで少し平坦な道が続きます。ボーダーの方は斜面を確認してからセッティングしましょう。

コースは緩やかなカーブの多く、やや幅が狭いです。

初心者コースとはいえコントロールが慣れていないと接触が怖いかもしれません・・・。整備がされているので、凹凸がなくスムーズな滑走を楽しめました。

中腹までのコース後半、途中から緩やかな傾斜になりますが右側に注意しましょう。

特にガードなどなく、すぐ急な崖となっておりペアリフトが見え始める付近では垂直な絶壁となっております。無理なコースどりやスピードは抑えての滑走がおすすめです。

中腹となるペアリフト過ぎてカーブを抜けると一面広がる広大な景色。

ここで一息入れ写真を取るのも良いと思いますが合流地点でもあるので、通り道を塞がないようにご注意を。

ここから右側が初心者コースですが、少し傾斜がある部類だと思います。凹凸もちらほらあるので、無理はせずに広いコースを大きく使って滑ったほうが安心ですね。下まで滑る間、目の前に広がる景色は最高なので良い思い出になりますよ！

終点まで一直線、最初の４人乗りリフト横へ戻ってきます。
ここまでの滑走時間は20分くらいでしたので、一つの目安として隣の山へ向かうかの相談など行うとスムーズに周れます。

戸狩温泉の多彩なコース

戸狩温泉スキー場ゲレンデマップPDF

[初心者コース]

オリオン高速クアッドリフトからオリオン第5ペアリフトへ乗り継ぎ、降ります。20ｍほどフラットな地面が続くので、ちょっと進んでからセッティングしましょう。

【みはらしコース】→コース左側を道沿いにずーと進みます→ペアリフト左手に通り過ぎ細い通路を抜ける→【白樺コース】

オリオンゲレンデ

障害物のなくスムーズな滑走が楽しめます。中腹付近は緩やかな傾斜ですが、道幅が狭いのでコース取りと速度に気をつけて。コース縁にはガードなどなく雪などで視界不良の際は崖の見分けが難しいと思いました。コース外判別用のポールの数もかなり少なく、一部崖は傾斜ではなく垂直に近い角度なので、荒天時は特に注意してください。

【白樺コース】の左側には中・小ジャンプ台が用意されているので、ジャンプ入門やスキルアップの練習にはもってこいのアイテムがありました！

[長距離コース（中級）]

オリオン高速クアッドリフトからオリオン第5ペアリフトへ乗り継ぎ、正面に降ります。

【みはらしコース】→コース右側を道沿いにずーと進みます→【ならのきコース】へ合流→コース終端、右側のリフトへ→とん平第2高速クアッドリフトで2つ目の山の頂上へ→リフト降りてすぐ左、【林間コース】→コース左側にずーと直進→リフト右手に左側を直進→【五本松コース】へ合流、終点まで。

再度頂上、右側の山へ目指す場合は、ペガサスビートル4リフトを正面に降り→【連絡通路】→【林間コース】へ合流し右側のリフト、ガサスラビット4リフトで頂上いけます。

ペガサスゲレンデ

楽しいロングライドを楽しめますが、滑走人数の割にコースが少し狭いのでコースの難易度も少し高めです。ちょこちょこと傾斜の強い部分があるので、滑走人数の多さなどを考慮するとなかなかスリリングな体験ができると思います。

[非圧縮（超上級）コース]

オリオン高速クアッドリフトからオリオン第5ペアリフトへ乗り継ぎ、正面に降ります。

【みはらしコース】→コース右側を道沿いにずーと進みます→【ならのきコース】へ合流→コース終端、右側のリフトへ→とん平第2高速クアッドリフトで2つ目の山の頂上へ→リフト降りてすぐ右側へ→【ジェットコース】へ

しばらくは緩やかなロングストレートですが、ここを抜けると道が目の前から消えます。バンプが強く、隆起箇所によっては部分的に角度は40°くらいになると思います。

ジェットコース

この日はアイスバーン気味であったため、ボードで滑るには危険であり、あまりにも急な角度のため、両手をつきながら斜面を少しずつずり落ちて降りました。

確実に新雪が積もっている状態であれば最高のライドが楽しめる場所ではありましたが、それ以外では角度的にかなりの恐怖はあると思います。たぶん、一度転んだら下まで止まらないレベルに恐ろしい角度でした・・・。

しかしながら、写真の絶景はここから撮りました！

滑らずもずり降りる前提で一度この景色を拝みに行く価値はあると思います。

急な角度のおかげで目の前を遮るものは何もなく、頂上近くのため遠くまで一望できる見事な景色。とても良い体験ができました。ふわっふわの雪のときに思いっきり滑ってみたいものですね！

★初心者の方はご注意ください。確かに景色は息を呑むほど絶景ですが、同伴した友人は中級者でしたが、恐怖のあまり下まで降りるのに30分以上かかりました・・・。

マップを見る際の注意点として、【連絡通路】と称されている茶色のコースは、パッと見広く見えますが、実際は幅の狭いゆるい傾斜のコースとなります。部分的にはボードが止まってしまう箇所や、すぐ横が急な斜面になる箇所もあるため、滑走時は少し気をつけてください。

この日は「オリオン⇒とん平⇒ペガサス⇒とん平（第1ペアリフトで山頂へ・みはらしコース左折）⇒オリオン」といった流れで、連絡通路を避けてゲレンデを周りました。一度ペガサスへ向かうと、帰りが遠いので余裕を持っての行動がおすすめといったところでしょうか。

ゲレンデからの眺望は必見

初心者コースを中心に開けた景色が一望できます。滑走が不慣れであっても開放感を感じることができるので、滑っていて気持ちが良いです。

マップ右側と左側の山頂で見える景色が微妙に違い、良い条件が重なればきれいな雲海が一面に広がる面白い景色が楽しめるのではと思わせてくれました。

一部絶景を拝むには非圧縮の厳しいコースから見る必要があるのですが、腕に自身がある方はぜひ、その価値を目に焼き付けてきてください。実に美しい光景でした。

ゲレンデ内の立寄り温泉

ゲレンデ内には2カ所の立ち寄り温泉があり、オリオンゲレンデ麓には「望の湯」、ペガサスゲレンデ麓には「暁の湯」があります。バスツアーのチケット内に温泉の無料チケットがついているので、滑走を楽しんだあとはぜひ温泉に立ち寄って疲れを癒やしましょう。無料チケットは帰りのバス停がある「望の湯」で利用OK！

こちらはバスタオルに８００円かかるので、持参をおすすめします。

戸狩温泉のゲレ食に注目！

この日はちょっと気になった【星降るレストラン】限定10食のカツカレー（1300円）を注文しました。

注文して5分ほど、提供スピードが早いのは嬉しいですね！

手元に届いてみて最初の印象は「少ない・・・」でした。目一杯滑走を楽しみ、その空きっ腹を満たすには少し物足りないです。他のお客さんの注文品を見る限り、率直に量に対しての価格設定が少し高いかなぁといった印象はありました。

もう1箇所、帰り際に立ち寄った【レストハウスみゆき】のジャンボチキンカツカレー（1000円）

こちらのチキンカツはナゲットのような柔らかい食感とサクッサクの衣が美味しかったです！ともに同じカツカレーを注文しましたが、量はほとんど同じでした。

幸いなことに、こちらのゲレンデはレストランが割とあるので、もしかしたら他のところは違った様子が見れるかもという期待しつつも、２食食べてお腹いっぱいなので今回はここまで。次回は別レストランに期待したいところです！

個人的におすすめしたいゲレ食は、【二ツ宮バス停】近くのクレープ屋さんです。

バナナチョコ（400円）を注文しましたが、ゲレ食で初めてクリームの重みを感じました。
ゲレ食は割高なイメージですが、こちらは良心的でとても嬉しいですね。ぜひ帰りのバス待ちにでも。

さいごに

当日は前日に晴れ間があったこともあり、若干アイスバーン気味の硬いコンディションでした。山頂付近はわずかながらパウダーの名残はありましたが、ちょっとタイミングがずれちゃういましたね。

コースは初滑走だからこそわかった整備範囲の広さ。誰も滑走していないところには綺麗な放射線が広がり、枯山水を彷彿させるまっさらなコースを滑っていく特別感を味わえました。細かなコースが多いですが、しっかり整えてくれているのは嬉しいポイントです。

設備面では、全体的に古さが目立ちますがこれもまた風情があって良いです。個人的には朝からお風呂が開放されていると最高ですね・・・。

全体的に開けた景色が多く、景観と一緒に楽しむには最高でした。快晴とはいきませんでしたが雲の隙間から青空が見え、30分ほどの僅かな時間、陽の光と絶景を拝むことができたのは良かったです。天気を見計らってベストな時に滑走ができれば、それは最高に気持ち良いものになると思いました！

初心者から上級者まで楽しめるおすすめスキー場です。日帰りバスで気軽にたっぷりと、戸狩温泉スキー場に滑りに行ってみてください！

●この記事を書いた人   Altmineさん ボード歴19年 ボードの魅力は安定感と両手が自由に使えるとこですね。趣味で写真を撮っていますが、ゲレンデの凛とした静寂と空気が好きで、ボードで滑走しながら躍動感のある写真が撮れるのはおもしろいですよ！