スキー保険選び方

スキー場でのいざというときの備え!スキー保険の選び方と判断ポイント

ゲレナビ 運営事務局

投稿日2025.12.03 更新日2025.12.09

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スキーやスノーボードを楽しむ前に、「保険って入るべき?」と迷う人は少なくありません。ゲレンデでの転倒や衝突、器具破損、救助要請など、雪山には意外なリスクが潜んでいます。スキーやスノーボードをすでに楽しんでいる人たちでも、意外と保険の重要性は知らないケースも。

この記事では初心者はもちろん、これまで事故にあったことがないけれどそろそろ加入を検討しているスキーヤー、スノーボーダーに向けて、実際の事故データや事故事例をもとにスキー保険の必要性を整理。どんな人が加入すべきか、どのような補償を選ぶと安心なのかをわかりやすく解説します。

 

スキー保険とは?補償内容と他保険との違い

スキー保険とは、スキーやスノーボードなどの雪上スポーツ中に起こりうるケガや賠償事故、携行品の破損などに備えるための保険です。

旅行保険やクレジットカード付帯保険にも似た補償がありますが、スキー場特有のリスク(救助費用や高額な賠償)に対応している点が大きな違いとなります。

ここでは、スキー保険の構造他保険との違いを整理していきます。

スキー保険の基本構造(傷害・賠償・救援費用・携行品)

スキー保険は、大きく「4つの柱」で構成されています。

  1. 傷害(ケガ)補償:スキー中の転倒や衝突による、自分自身の骨折・靭帯損傷・打撲などを補償。通院・入院費が支払われます。
  2. 個人賠償責任:他人と接触してケガを負わせたり、他人の器具を壊したりした場合などに対応。賠償金は場合によっては数千万円に及ぶこともあるため、最も重要な補償のひとつです。
  3. 救援費用:遭難や救助要請時の捜索・搬送・ヘリ出動などにかかる費用を補償。高額になりがちな雪山特有のリスクです。
  4. 携行品損害:レンタル板や自分のボードが破損・盗難に遭った際に補償。免責金額(自己負担)が設定されているケースが多いです。

つまりスキー保険は、「ケガ」「他人への賠償」「救助」「道具」の4方向から、雪山でのトラブルに備える総合保険といえます。

旅行保険・クレジットカード付帯保険との違い

旅行保険やクレジットカード付帯保険にも、傷害補償や携行品の損害補償があります。しかし、スキー保険と比べると、雪山特有の救援費用や賠償責任、携行品破損対応などの補償が限定されている場合も。

以下に、それぞれの主な補償内容や特徴、違いのポイントを記載しましたので、確認しておきましょう。

補償項目スキー保険
(1日型など)
一般的な
国内旅行保険
クレジットカード
付帯保険
違いのポイント
傷害(ケガ)補償充実充実充実(利用付帯に注意)治療費はすべての保険でカバーされるが、補償額は要確認。
個人賠償責任必須補償として含んでいることが多いプランによるが、特約が必要な場合が多いほぼ含まれていないことが多い他人への賠償はスキー場では必須級。
他人への賠償はスキー場では必須級。必須補償として含んでいることが多いプランによるが、特約が必要な場合が多いほぼ含まれていないことが多い雪山での救助は高額になるため、特に重要。
携行品損害スキー・スノーボードを対象にしているスキー・スノーボードが対象外であったり、補償額が低かったりする場合があるほぼ含まれていないことが多い携行品損害 スキー・スノーボードを対象にしている スキー・スノーボードが対象外であったり、補償額が低かったりする場合がある ほぼ含まれていないことが多い 専用保険であれば、高額なスキー用具の破損・盗難に備えられる。

 

適用外となるケースと注意点

スキー保険に加入していても、以下のようなケースでは保険金が支払われない、または補償の対象外となることがあります。

  • 飲酒状態での滑走やコース外滑走中の事故
  • 故意または重大な過失による事故
  • プロ・競技目的での滑走
  • 老朽化・自然消耗による用具破損
  • 免責金額の設定がある場合

特に、「コース外滑走」や「バックカントリー」での事故は対象外となる保険が多く、救助費用も自己負担になる可能性があります。契約前に「適用外項目」を必ず確認し、自分の滑走スタイルに合った保険を選びましょう。

 

実際に起きているスキー・スノーボード事故とお金にまつわるリスク

スキー場での事故は、毎年数千件発生。骨折・靭帯損傷から他人への賠償まで、金銭負担は想像以上です。ここでは公的データをもとに、現実的なリスクを具体的な数字で紹介します。

 

事故発生件数・傾向(全国スキー安全対策協議会の統計)

全国スキー安全対策協議会の最新統計によると、24/25年シーズンのスキー場事故は、全国で2,759件報告されており、ピーク時よりは減少傾向にあるものの、依然として毎シーズン数千件規模で発生しています。

参考:一般財団法人日本鋼索交通協会「スキー場傷害報告書 ’24~’25調査結果」

スキーとスノーボードの受傷者割合は、わずかにスノーボードのほうが高い傾向がありますが、近年スキーでの受傷者数が増加傾向にあり、来シーズンにはスキーがスノーボードを上回る可能性もあります。

年齢層では10〜30代の若年層が全体の約6割を占め、特に初心者や中級者の事故が目立ちます。また、混雑状況や天候の変化によっても事故件数に影響が出ており、捻挫や脱臼を中心に、搬送や救援が必要な重傷事故も少なくありませんでした。

典型的な事故事例(衝突・転倒・救助要請)

事故事例で最も多いのは、「自分で転倒」の単独事故です。スキーでは80.9%、スノーボードでは81.9%を占めており、「バランスを崩して転倒」が主な理由。スノーボードの場合は、「ジャンプ失敗」「トリック失敗」なども原因に挙げられています。

続いて多いのが「人と衝突」です。特にスノーボードでの衝突事故が多く、自分の滑走ミスで第三者に怪我を負わせた場合、賠償金が発生することも少なくありません。ほかにも「人以外との衝突」や「流れボード」による事故、遭難による救助要請などが多いと報告されています。

自己負担・賠償金の目安を数値で見る

事故が発生した場合、保険未加入や補償不足だと、どの程度の費用を自己負担する必要があるのでしょうか。費用の内訳や目安は、次のとおりです。

リスク費用の内訳費用目安(自己負担額)
傷害(ケガ)骨折・靭帯損傷の手術、入院、リハビリ数万円〜50万円以上
個人賠償他人への重篤なケガ(治療費、慰謝料、逸失利益など)数百万円〜数千万円
救援費用遭難時の捜索費用、ヘリコプター出動費数万円〜100万円以上
携行品損害スキー板・スノーボードの破損、盗難1万円〜10万円

特に個人賠償責任は、被害者の生涯賃金に関わる「逸失利益」なども含まれるため、青天井に高額になるリスクがあります。傷害保険や生命保険で自身のケガの治療費はカバーできても、この「賠償」と「救援費用」こそが、スキー保険最大の加入理由となります。

スキー保険は入るべき?判断のためのチェックリスト

スキー保険の必要性は、人それぞれ。自身のレベルや既存保険の有無などによっては、加入の必要性が高くない人もいるものです。

ここでは、滑走スタイル・同行者・既存保険の有無から、「スキー保険に入るべきか否か」をチェックリストとともに確認していきます。「自分にスキー保険は必要なのか?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

滑走頻度・レベル・同行者別リスク診断

滑走頻度が高い方や、初級~中級者、家族や友人グループで滑る場合は、事故リスクが高まりやすく保険加入を推奨します。

  • 初心者:転倒事故リスクが高く、怪我をしやすい
  • 中級者:スピードの出し過ぎや、不意な衝突事故のリスクが増加
  • グループ滑走:同行者を巻き込む事故の可能性が高い

特に「初心者・初級者」と「中級者以上でスピードを出す人」は、それぞれ「単独のケガ」と「他人への賠償」という異なるリスクを抱えており、保険の必要性は高いといえます。

既存保険のカバー範囲確認(個人賠償責任・旅行特約)

すでに加入している火災保険や自動車保険、生命保険の特約で、スキー保険で求められる補償の一部がカバーされている可能性もあります。

個人賠償責任保険:火災保険、自動車保険、生命保険の「特約」として付帯されていることがあります。この特約が国内でのレジャー中の事故をカバーしているか確認しましょう。カバーされていれば、衝突事故の賠償リスクは軽減されます。ただし、家族全員をカバーしているか、補償額は十分かの確認が必要です。

旅行保険・傷害保険:すでに加入している旅行保険や傷害保険の「特約」として付帯されていることがあります。ケガの治療費はこれらで対応できることが多いですが、「救援費用」や「携行品損害」がカバーされているか、補償額は十分かを確認することが重要です。

「入るべき人」「必要性が低い人」の判断基準

上記の内容を踏まえて、スキー保険に「入るべき人」と「必要性が低い人」を、チェックリストで確認していきましょう。

■入るべき人

  • スキー・スノーボードに年数回以上行く人
  • 中級・上級コースを滑る人
  • 技術に自信がない人
  • 他人と接触する可能性のある混雑したゲレンデを利用する人
  • 個人賠償責任保険に未加入の人
  • 高額なスキー・スノーボード用具を持ち運ぶ人

■必要性が低い人

  • 初心者コースのみで、滑走頻度が年1回程度の人
  • 火災保険などで個人賠償責任保険に加入済みの人
  • 自分の既存保険(傷害・医療など)でケガの治療費が十分にまかなえる人
  • ゲレンデのルールを厳守し、慎重に滑る人

最も重要な判断基準は、「他人をケガさせてしまったときの賠償責任」と「遭難・救助時の救援費用」をカバーできているかどうかです。 既存保険で上記が不足している場合は、迷わずスキー保険に加入しましょう。

加入するならどの方法?安心とコスパで選ぶ3タイプ

基本的に、当日スキー場で保険に加入することは難しいため、雪山に行く予定が決まったら、出発前に加入手続きを済ませるのが鉄則です。最近はスマホやコンビニ端末から手軽に加入できる「1日型」の保険が多く、滑走回数に合わせて「年間型」と比較検討するのがおすすめ。安心と費用対効果のバランスを考えて、自分に合った保険タイプを選びましょう。旅行会社を通して予約す場合は、旅行と一緒に保険を申し込むこともできるため、予約時に確認するのがおすすめです。

 

1日だけ入れる「スマホ即時加入型」保険

近年人気なのが、スマホやコンビニ端末から即加入できる「1日型保険」です。わずか数分で手続きが完了し、その場で加入できる手軽さや、1日あたり500円前後で加入でき、傷害・賠償・救援費用をカバーできるのも魅力のひとつ。

一方で、毎回出発前に手続きが必要なため、うっかり加入を忘れるリスクがあります。また、都度加入するとトータルコストが上がるため、年に数回以上滑る方には向いていません。年に1〜2回程度スキー場を利用する方や、コストを抑えてとにかく簡単に保険に加入したい方におすすめです。

複数回行く人向け「年間型・レジャー保険」

シーズン中に何度もスキー場を訪れる、いわゆる「ヘビーユーザー」や、スキー以外にもハイキング、キャンプなどのアウトドアレジャーをよく楽しむ方におすすめなのが、「年間型・レジャー保険」です。

一度加入すれば1年間(または契約期間中)は補償が有効なため、毎回の手続きが不要なのがポイントで、年間数千円ほどで、スキーだけでなくほかのレジャー中の事故も補償対象になります。

ただし、年に1〜2回しか滑らない方の場合は、保険料が割高になるので注意。また、加入時にまとまった保険料の準備も必要となります。

加入前に確認したいポイント(補償額・免責・救援費用上限)

スキー保険加入前には、以下の3点を必ず確認しましょう。

個人賠償責任の補償額:最低でも1億円、できれば無制限のプランを選びましょう。衝突事故などの賠償金は、億単位になる可能性があるため注意が必要です。

携行品損害の免責金額と上限額:免責金額(自己負担額)はいくらか、上限額(スキー板・ボードの最大補償額)が自分の用具の価格に見合っているかなどをしっかり確認する必要があります。高額な用具を持っている方は、上限額の高いプランを選びましょう。

救援費用の上限:雪山での捜索・救助費用は数十万円から数百万円に及ぶことがあります。最低でも200万円程度の補償上限額があるか確認しましょう。補償額が低いと、遭難時の自己負担が大きくなります。

上記の内容を総合的に比較・確認し、自分のリスクに合った設計のプランを選びましょう。

まとめ

スキー保険はすべての人において必須ではないものの、滑走頻度やレベル、同行者有無によって必要性は大きく変わります。特に、他人への賠償や救助要請など、金銭的リスクが高い場面を考慮する場合は、加入しておくと安心です。日帰りならスマホで加入できる1日型、シーズン中に複数回行くなら年間型のスキー保険を検討すると良いでしょう。

旅行会社でツアーを申し込む際は、旅行会社で取り扱っている国内旅行傷害保険もあるので一緒に申し込むと手間がかかりません。トラベルインツアーの場合は、日帰りツアーから宿泊まで一律でおひとり様500円のプランとなっておりお得です。

万一の事故や賠償トラブルに備え、今シーズンも安全に、そして安心して雪山を楽しみましょう。

 

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